「カウンセリング小説」という形になるまで

 

1冊で3つの楽しみ方ができる!新しい「カウンセリング小説」

 

『大人になっても思春期な女子たち』は、「物語」+「心理学理論」+「ワーク」が三位一体となった「カウンセリング小説」です。

 

一つ目は「物語」として楽しむ。――大人になりきれない3人の女性が、カウンセリングを通じて成熟した大人の女性になっていく物語を読む。

 

二つ目は「実用書」として楽しむ。――心理学理論をもとに、大人へと成熟するプロセスで直面する発達課題(本書では「心の課題」)を理解する。

 

三つ目は「ワークシート」として楽しむ。――心の成熟のために取り組むべきポイントを「ワークシート」で把握し、実践できるようにする。

 

いまは、ブログでもSNSでも手軽に知りたい情報を手にできる時代。でも、だからこそ“本”でなければ表現できないことを伝えたい。そんな思いを実現させた、まったく新しいタイプの単行本なのです。

 

■編集者とのほぼ毎週の企画会議~「大人の思春期あるある」談義

 

この「カウンセリング小説」を書くことになったのは、青春出版社編集部の石井さんとのZOOMでの何気ない雑談がきっかけでした。

 

本の企画をいただいたときには、まだ本の骨子も決まっておらず、2人で「大人の思春期あるある」について、毎週のように語りあっていました。

 

「推し活絶頂期には胸キュンなのに、『何やってるんだろう、私』って急にむなしくなる。そんなことを言う人が多いよね」

 

「平日はバリバリ仕事して、休日はガンガン趣味に打ち込んで。そんな目まぐるしい生活のなかに身を置いていると、ふと不安になることもあるのはどうして?」

 

「女子会で盛り上がっているときは最高に楽しいんだけど、結局そんな関係は何年も続かないんだよね……」

 

2人でそんな話をしているうちに、そういえば、カウンセリングの中でも同じようなむなしさや不安を口にする人が増えているなぁ……。私は、そんなことに気づいたのでした。

 

 

■「のぞみ、めぐみ、みのり」3人のキャラクターは突然のひらめきで誕生し

 

こうして編集者の石井さんと「大人の思春期あるある」を語りあううちに、私の頭の中で3つのキャラクターがパッと浮かんできたのです。それが「のぞみ、めぐみ、みのり」という3人の大人思春期女子。

 

彼女たちが普段来ている服、日中忙しく働く様子、家の中でくつろぐ様。頭の中で彼女たち一人ひとりのイメージが、どんどん鮮明になっていきました。

 

私はすぐにこの3人のキャラクターを石井さんに説明し、「彼女たちがカウンセリングで自分の本音に気づき、『大人の思春期』を卒業していく物語を書きたい」と提案しました。

 

でも、石井さんは実用書の編集担当。私は小説など一度も書いたこともない一介のカウンセラー。石井さんの提案を受け、戸惑ったと思います。でも、すぐに「面白いですね!」と言ってくれました。きっと、石井さんにもこの3人のキャラクターがとてもリアルな大人思春期女子に感じていただけたのだと思います。

 

次回は、本書に散りばめた「魔法」についてお伝えします。

 

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